ピル・避妊相談

ピル・避妊相談

ピル・避妊相談

ピルは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)を含む薬です。
低用量ピルと中用量ピルの2種類があります。

以前は中用量ピルが一般的でしたが、現在は低用量ピルが主に使われています。

低用量ピル

低用量ピルの効果

低用量ピルは避妊目的で作られましたが、月経痛の緩和やPMS、ニキビにも効果があります。
日本では避妊目的のピルをOC(Oral Contraceptives)と呼び、月経困難症や子宮内膜症の治療薬として保険適用されるピルをLEP(Low dose Estrogen Progestin)と区別しています。

低用量ピルの副作用

軽い副作用として、不正出血、頭痛、悪心、浮腫みがあります。
これらは通常、飲み続けるうちに治まりますが、長く続く場合は他の薬剤を試せますので相談してください。
重大な副作用として血栓症があります。

足や胸の痛み、激しい頭痛、腹痛、舌のもつれ、視力低下などの症状が現れた場合は、すぐにご相談ください。

中用量ピル(月経移動ピル)

生理を早めたいときは低用量ピルまたは中用量ピルを服用します。
生理を遅くしたい場合は中用量ピルを使うことが多いです。
低用量ピルは避妊だけでなく、生理の悩みを改善するためにも広く使われています。
普段から低用量ピルを飲んでいる場合、休薬期間を調整することで生理を早めたり遅らせたりできます。
中用量ピルは副作用のリスクが高いため、現在では月経移動のような短期間の治療に使われます。

注意点
生理周期をきちんと把握する

月経移動は、予想される生理日をコントロールするものです。
そのため、生理周期を正しく把握することが重要です。
正確に把握していないと、希望通りに移動させるのが難しくなります。

生理周期が乱れる要因に気を付ける

生理は睡眠不足、過度なダイエット、ストレスなどの影響を大きく受けます。精神的にも肉体的にも無理をしない生活を心がけることが大切です。

月経移動を正しく理解する

月経をある程度移動させることは可能ですが、100%希望通りにいくわけではありません。特に早める場合は、一つ前の生理の時期から計算する必要があります。すでに始まっている生理を移動することは不可能です。

副作用

ピルを使って生理をずらすと、副作用が心配になる方もいます。
倦怠感や胃痛などの副作用が生じることがありますが、重篤な後遺症や治療が必要な症状が現れることはまれです。
ピルはホルモンをコントロールする薬であり、通常の月経時と似た症状が現れることがありますが、重篤な副作用のリスクは低いです。

月経移動ピルの飲み方
早める場合

ずらしたい生理の一つ前の生理が始まった日から5日目までの間に、中用量ピルまたは低用量ピルを毎日飲み続けます。
14日以上服用した後、2~3日経過すると月経が来るようになります。
ただし、ホルモンの種類や投与期間、個人差によって効果が異なることがあります。

遅くする場合

生理を遅くする場合は、女性ホルモンの分泌が始まっているため、中用量ピルを使用します。ずらしたい月経開始日の5〜7日前から中用量ピルの服用を始めます。服用を止めてから2~3日経過すると月経が始まります。こちらも個人差があり、うまくいかないことがあります。また、排卵後に内服するため妊娠の可能性も考慮する必要がありますが、月経移動後に妊娠しても母体や胎児に悪影響は報告されていません。

アフターピル

アフターピルとは

避妊に失敗したり、避妊をしなかった場合に使用する緊急避妊法です。性行為後3日以内(72時間以内)に飲む必要があります。服用は早ければ早いほど効果的です。72時間以内に飲むと、約70%以上の確率で妊娠を防げます。ただし、効果は薬の種類によります。

服用を推奨するケース
  • 避妊をしない性交渉(膣外射精も含む)をした時
  • コンドームが外れた、破損した、漏れた時
  • 避妊がきちんとできたか不安な時
  • 性暴力の被害を受けた時
副作用

副作用の確率は非常に低いですが、以下のような症状が現れることもあります。

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 倦怠感
  • 下腹部痛

避妊リング(ミレーナ)

ミレーナとは

ミレーナはT字型の子宮内避妊器具で、黄体ホルモンが含まれています。以前のリング状の避妊器具とは異なり、ミレーナは子宮内に挿入するだけで、最長5年間の避妊効果を持つため、コストパフォーマンスが高いと評価されています。大きさは約3cmで、柔らかいプラスチック製です。

メリット
  • 飲み忘れや血栓症の心配がない
  • 一度挿入すれば長期間使用可能
  • 妊娠を望む場合は簡単に抜去できる
  • 重い生理痛や過多月経の改善にも有効
  • 月経困難症や過多月経の場合は保険適用
デメリットと注意点
  • 子宮内感染がある場合は挿入不可
  • まれに自然脱出や子宮穿孔が発生
  • 子宮外妊娠のリスクがある
  • 子宮筋腫や子宮腺筋症がある場合、効果が不十分なことがある
おすすめできる方
  • しばらく妊娠を望まない方
  • 次の出産までの期間を設けたい方
  • 経膣分娩の経験がある方(痛みが少ないため)
  • 生理痛に悩んでいる方
  • 生理の量が多くて困っている方
  • ピルの副作用がある方や血栓症のリスクがある方(40歳以上、喫煙者、高血圧の方など)
おすすめできない方
  • 3か月以内に性感染症など子宮内感染を起こした方
  • 子宮外妊娠を経験したことがある方
  • 子宮内検査で痛みのため失神したことがある方
ミレーナの副作用

ミレーナを入れてから数日間、以下のような副作用が起こる恐れがあります。

  • 腰痛
  • 下腹部痛
  • 不正出血
  • 月経周期の変化
  • 過長月経(生理が8日以上続く)

症状が長引いたり、痛みが重い場合は、放置せず医師に相談してください。不正出血は多くの方に見られます。特に初めの3~4ヶ月間は、毎日のように不正出血が続くことが多いですが、徐々に減少していきます。個人差があるため、1ヶ月程度で落ち着く方もいれば、半年続く方もいます。5年のうち初めの数ヶ月は不正出血があると考えておくとよいです。また、確率は非常に低いですが、ミレーナが自然に脱出するケースもあります。挿入後は定期的に受診し、ミレーナの位置を確認することが重要です。

避妊相談について

アフターピルはあくまで「最悪の事態」に用いる薬剤です。パートナーがいて、現在妊娠を望んでいない方には、低用量ピルの服用をおすすめします。お産を経験し、長期間の避妊を検討している方には、ミレーナ(IUS)を推奨します。低用量ピルを100人の女性が1年間飲み続けた場合、妊娠率はわずか0.3%です。しかし、飲み忘れも含めると妊娠率は9%になります。妊娠してしまう原因の中で一番多いのは「飲み忘れ」です。ミレーナは「飲み忘れる」ということがないため、避妊効果が高いです。現在妊娠を望んでいない方は、アフターピルよりも高い避妊効果が期待できる低用量ピルやミレーナをぜひ検討してください。

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