よくある疾患

よくある疾患

思春期相談

思春期相談とは

思春期相談とは

思春期は「生理痛がひどい」「初経がまだ来ない」「生理周期が不規則」「生理が長引く」など、さまざまな生理のトラブルが起こりやすい時期です。

成長とともに落ち着くこともありますが、以下のような疾患が隠れている場合もあります。

  • 子宮内膜症
  • 多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)
  • 子宮奇形
  • 卵巣腫瘍
  • 甲状腺疾患

これらは将来の不妊や、早急な治療が必要なケースもあります。
婦人科受診と聞くと「内診があるのでは」と心配されることが多いですが、当院では患者様と相談しながら検査方法を選びますので、ご安心ください。

また、生理以外のトラブル(おりものの異常、かゆみ、腹痛など)についても対応しています。
お気軽にご相談ください。

よくあるご相談
生理が来ない

15歳以上で生理が始まらない場合、婦人科の受診をおすすめします。
生理が始まった後に止まる場合は、ストレスや体重の急激な変動、過度な運動が原因です。

生理周期が不規則

初経から数年間はホルモン分泌が不安定なため、生理不順が起こりやすいです。
「生理周期が不規則」「次の生理が来ない」「不正出血が続き体育や部活に支障がある」「生理が修学旅行と重なりそう」などの悩みはご相談ください。

生理が重くて辛い

子宮の出口が狭いため、経血が体外へ排出されにくく、月経痛がひどくなる場合があります。
痛み止めや漢方薬で緩和されることもありますが、子宮内膜症の可能性もあるため、受診をおすすめします。

体重が増えるのが怖い

失恋やモデルへの憧れから「太ることへの嫌悪感」を抱き、過剰なダイエットを行う方がいます。
これによりホルモンバランスが崩れ、生理が止まることがあります。進行すると身体に深刻な影響を及ぼし、命の危険もあります。

脇汗が多く、人目が気になる

脇汗(腋窩多汗症といいます。)が気になる方がいらっしゃいます。服に汗染みが出来たりして夏場などで気になるかと思います。
塗り薬による治療法がありますので、ご相談ください。

ムダ毛が気になる。

手足や脇などのムダ毛が気になる年頃になっています。
当院では痛くない医療脱毛(自費診療)をおこなっています。

子宮内膜症

子宮内膜症とは

子宮内膜症とは

子宮内膜症とは、卵巣や腹膜など、子宮以外の部位に子宮内膜組織ができる疾患です。
通常、子宮の内側から剥がれ落ちた子宮内膜組織は経血として腟から体外へ排出されます。
しかし、子宮以外の場所で増殖した子宮内膜組織は体外に排出されないため、以下のような症状を引き起こすことがあります。

  • 痛み
  • 炎症
  • 癒着(ゆちゃく)
  • 不妊

子宮内膜症は良性の疾患であり、命に関わることはありませんが、痛みや他の症状を治療でコントロールしながら、閉経まで付き合う必要があります。

症状

最も多く見られる症状は月経痛です。
月経の回数を重ねるごとに、痛みは強くなります。
月経痛によって起き上がれず、寝込んでしまう方も多くいます。
進行すると、以下の症状が現れることもあります。

  • 腰痛
  • 下腹痛
  • 排便痛
  • 性交痛

これらの症状がある方は、放置せずに早めに当院までご相談ください。

原因

原因はまだ明らかになっていませんが、月経血が腹腔内に逆流する現象が深く関わっていると考えられています。
この現象は90%の女性でみられる生理的なものです。

初経が早い、妊娠回数が少ない、月経周期が短いなどの理由で月経回数が増えると、子宮内膜症の発生頻度が増加することがわかっています。
そのため、現代の晩産化や少子化により、子宮内膜症の患者数が増加しています。生殖年齢女性の約10%に発症するといわれています。

治療方法

薬物治療と手術療法があります。当院では症状の強さ、病変の大きさ、年齢、妊娠希望の有無を考慮して、最適な治療法を提案します。
子宮内膜症は、治療後も再発しやすい疾患です。
まれに子宮内膜症性囊胞が、がん化するリスクもあります。そのため、閉経までの経過観察が重要です。

薬物治療

痛みを和らげるために鎮痛剤を処方しますが、効果がない場合はホルモン剤(低用量ピル、プロゲスチン製剤)を使います。
経口GnRHアンタゴニスト製剤を選択することもあります。
これらの薬剤は、女性ホルモンの分泌を抑えたり、直接病巣に作用します。

手術療法

病変が大きい、悪性の可能性がある、薬が効かない、症状が強い、不妊の原因となっている場合は手術を行います。(専門の高次医療機関に紹介いたします)妊娠を希望する場合は病巣部のみを切り取り、子宮や卵巣の正常部分を残します。
妊娠を希望しない場合は、病巣部だけでなく子宮や卵巣、卵管などを摘出することもあります。

子宮筋腫

子宮筋腫とは

子宮筋腫とは

子宮の筋肉にできる良性腫瘍です。
症状は筋腫の位置によって異なります。

漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)

子宮の外側にできる筋腫です。
外に向かって大きくなり、子宮から突出することもあります。
他の筋腫とは異なり、過多月経や貧血の症状が出ないため、気づきにくいです。

筋層内筋腫

子宮の平滑筋層にできる筋腫です。
子宮筋腫の中で最も一般的です。小さい場合はほとんど症状が出ませんが、大きくなると経血が増えたり、不妊の原因になります。

粘膜下筋腫

子宮の内側に向かってできる筋腫です。
子宮内膜に栄養血管が露出し、月経時に大出血しやすくなります。
過多月経のため貧血が強く出ることが多く、手術が選ばれます。受精卵が着床しにくくなり、不妊症の原因になります。

症状

人によって筋腫の大きさや数の増加などの進行度合は異なります。
症状が全く出ない人も多いですが、貧血や頻尿、便秘、強い月経痛などの症状が受診のきっかけになることがあります。

原因

子宮筋腫は、子宮壁にできる良性の腫瘍で、筋肉が異常に増殖したものです。
原因ははっきりしていませんが、卵巣から分泌される女性ホルモンが影響し、筋腫が発育すると考えられています。
そのため、閉経後は自然と小さくなる傾向があります。

治療方法
薬物治療

症状に合わせて、鎮痛剤や鉄剤を処方します。
症状が重い場合は、低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤やGnRHアゴニストなどのホルモン治療を選びます。

手術療法

筋腫のサイズが大きい場合や薬物療法で症状が改善しない場合は、手術を検討します。
手術は、年齢や妊娠希望に応じて筋腫核出術か子宮摘出術を選びます。

卵巣のう腫

卵巣のう腫とは

卵巣のう腫とは、卵巣の中に液体がたまった袋状の病変です。
ほとんどの場合、良性で自覚症状が少ないため、検診で発見されることが多いです。のう腫の種類には以下のものがあります。

漿液性のう腫

漿液性のう腫は、10~30代の若い女性に多く見られる非常に発症頻度の高い腫瘍です。
卵巣から分泌されるさらっとした液体、漿液がたまることでできます。

粘液性のう腫

粘液性のう腫は、閉経後の女性に多く発生します。
卵巣内にネバネバした粘液がたまり、放置すると非常に大きくなることがあります。

皮様のう腫(類皮のう腫/奇形腫)

皮様のう腫は、毛髪や歯、脂肪などを含むドロドロした塊がたまる腫瘍です。
20~30代の女性によく見られますが、閉経後に稀にがん化することがあります。

卵巣チョコレートのう胞(卵巣子宮内膜症)

卵巣チョコレートのう胞は、子宮内膜症の一種です。
本来子宮の中にあるはずの子宮内膜が卵巣に発生し、増殖を繰り返すことで形成されます。
この腫瘍は30~40代の女性に多く見られ、40代を過ぎるとがん化するリスクがあります。

これらののう胞は、大きくなっても気がつかないことが多いです。
そのため、お腹の痛みや違和感を感じた場合は、早めに医師の診察を受けることが大切です。

症状

卵巣のう腫は、大きくなるまで自覚症状が少ないことが特徴です。
腫瘍が大きくなると、以下の症状が見られます。

  • 腹部膨満感(お腹が張った感じ)
  • 腰痛
  • 下腹部痛
  • 便秘
  • 下腹部にやわらかいしこりのようなものを感じる

さらに、腫瘍が大きくなると「茎捻転」が起こることがあります。
これは、卵巣の根元が回転してねじれた状態で、突然の激しい痛みや嘔吐、呼吸の速まり、意識が遠のくなどのショック状態に陥る可能性があります。

この場合、緊急手術が必要です。また、腫瘍が大きくなる過程で「破裂」することもあります。
これも同様に突然の下腹部痛が起こり、緊急手術が必要になることがあります。

原因

卵巣チョコレートのう胞は子宮内膜症が原因です。
ただ、子宮内膜症の原因はまだはっきりしていません。
皮様のう腫の原因も不明ですが、受精していない卵子が勝手に人の体になるための分裂を始めることが原因と考えられています。

治療方法

チョコレートのう胞以外は薬で小さくならないため、大きい場合や悪性の疑いがある場合には手術を行います。
しかし、小さい場合には経過観察をすることもあります。年齢や腫瘍のサイズ、種類を考慮して治療法を決定します。

子宮頸管ポリープ

子宮頸管ポリープとは

子宮の入り口(頸管)にポリープと呼ばれるキノコ状の良性腫瘍ができる病気です。

症状

痛みはありませんが、ポリープは出血しやすいです。
そのため、性交時や激しい運動、排便時のいきみなどで出血することがあります。また、おりものが増えたり、茶褐色のおりものが出る症状も伴います。
多くの方は婦人科検診で発見され、治療をすすめられます。

治療方法

ポリープが大きくない場合、外来で簡単に切除できます。
痛みもなく麻酔も不要です。妊娠中にポリープから出血することがあるため、特に妊娠を希望する方は治療をおすすめします。
切除後、病理検査を行うため、約2週間後に再診が必要です。

月経不順・生理以外の出血(不正出血)

月経不順について
月経不順とは

月経周期は人によって異なりますが、一般的には約1ヵ月のサイクルで繰り返されます。
正常な月経周期は25~38日ごとで、それ以外は月経周期異常(月経不順)と診断されます。
周期のズレが6日以内で、期間が3~7日であれば正常な生理と判断されます。

原因

月経不順の原因は多岐にわたりますが、最も多いのは「ホルモンバランスの乱れ」です。
月経は卵胞ホルモンと黄体ホルモンという女性ホルモンによって調整されます。

これらのホルモンの分泌は、視床下部、下垂体、卵巣の3つの器官が連携することで正常に機能します。このうち1つでも正常に機能しないと、生理が開始されなかったり、周期が乱れたりするトラブルが発生します。
視床下部はストレスの影響を受けやすい器官です。

家庭や職場、学校での精神的ストレスを抱え続けると、視床下部の働きが乱れ、ホルモンバランスが崩れます。
また、激しい運動や過度なダイエットも月経不順を引き起こす原因です。月経不順は一時的なものもあれば、病気が隠れている場合もあります。
出血の色や量では区別が難しいため、異常を感じたら自己判断せずに当院までお越しください。

種類
稀発月経

月経周期が39日以上になる状態です。周期が少しずつ長くなる場合もあれば、急に長くなる場合もあります。卵巣機能が不十分で、ホルモンが正常に分泌されないことが原因です。
無排卵のケースもあるため、妊娠を希望する方は早めに受診してください。

頻発月経

月経周期が24日以下になる状態です。周期が短くなることで、1か月に2回生理が来ることもあります。
卵巣機能が不十分でホルモンバランスが乱れることが主な原因です。

過長月経

生理期間が8日以上続く状態です。
視床下部や下垂体、卵巣に問題が発生し、無排卵周期や黄体ホルモンの分泌不十分が原因です。
また、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどの病気も原因となります。

過短月経

月経期間が2日以内で終わる状態です。「過少月経」と同時に発症することが多いです。
女性ホルモンの分泌不足による子宮内膜の厚さ不足や子宮の発育不全が原因とされています。

更年期前の月経不順

女性は35歳前後から卵巣機能が徐々に衰え始めます。
生理周期の乱れや経血量の減少は、身体が閉経に向けて準備しているサインです。この場合は病的ではありません。

40歳未満で自然閉経する早発閉経の場合、将来の骨粗鬆症予防のために「ホルモン補充療法」を行います。
月経不順と思っていたら悪性の可能性もあるため、自己判断せず受診をお勧めします。

基礎体温表

女性の基礎体温は、排卵の前後で変わり、「低温期」と「高温期」に分かれます。
基礎体温を測定することで、排卵が正常に行われているかや、生理のタイミングを把握できます。
低温期と高温期に分かれない場合、排卵が行われていない可能性があります。
基礎体温を計測・記録することで、自分の身体のリズムを把握できるメリットがあります。特に妊娠を希望する方には、基礎体温表をつけることをおすすめします。

不正出血について
不正出血とは

一般に、月経時以外の性器出血は異常であり、「不正出血」と呼ばれます。
原因は多岐にわたりますが、まずは妊娠しているかどうかを確認することが重要です。
妊娠初期には、正常妊娠でも異常妊娠でも出血することがあります。
妊娠の可能性が少しでもある方は、市販の妊娠検査薬を使用することをおすすめします。

種類と原因
器質性出血

器質性出血は、膣や子宮、卵巣などに何らかの疾患があるときに起こる出血です。
代表的な疾患としては、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮膣部びらん、膣炎、子宮頸管ポリープ、子宮頸がん、子宮体がんなどが挙げられます。
特に膣炎や子宮頸管ポリープなどを発症していると、性交時に出血が起こりやすくなります。

機能性出血(非器質性出血)

機能性出血は、器質性出血以外のすべての不正出血を指します。原因としては、排卵障害、子宮内膜機能異常、凝固異常、医原性(がん検診後の出血)などがあります。

排卵障害による出血

排卵障害による出血は、ホルモンバランスが不安定な思春期や更年期に多く見られるタイプです。
ダラダラと出血が長引く無排卵月経や、生理前に少量の出血が続く黄体機能不全などがあります。
下垂体や卵巣など、ホルモンの分泌に関与している器官の機能が衰えることが原因です。

子宮内膜機能異常

子宮内膜機能異常の例としては、月経と月経の間の排卵期に卵胞ホルモンの分泌が一時的に下がることで発生する「中間期出血」があります。
これは病気ではありませんので心配は不要ですが、基礎体温を測り出血の時期をチェックすることをおすすめします。
排卵の時期にいつも出血するのであれば、中間期出血である可能性が高いです。

凝固異常

凝固異常による出血は、出血しやすい体質や疾患がある場合に発生します。
例えば、子供のころから採血後に血が止まりにくい、内出血しやすいといった特徴があります。

医原性

医原性の出血は、子宮がん検診後の出血が該当します。
自然に止血されることがほとんどです。

その他

その他の原因としては、性行為後に膣の一部が傷ついて出血することがあります。

治療方法

ホルモンバランスの乱れによる出血

出血がすぐに止まる場合は経過観察となることがありますが、長く続く場合はホルモン剤を使用して止血を行います。

膣炎、子宮頸管炎などの炎症による出血

炎症の原因となる菌に対して抗生剤を処方し、治療を行います。

ポリープなどによる出血

ポリープの場所によっては、簡単な処置で摘出し治療を行います。

検査方法

不正出血の原因によって、検査内容は異なります。
一度の検査で異常が発見されず、不正出血が何度も繰り返される場合、ごく初期の疾患が隠れている可能性もあります。
このため、検査を繰り返し行ったり、以前の検査所見と比べたりすることで、診断できる場合があります。
定期的に通院を続けて様子を見ていくことが重要です。

性病検査(性感染症)

性感染症とは

性感染症は、ウイルス、細菌、原虫などが性器、泌尿器、肛門、口腔などに接触することで感染します。
性行為がなくても、性器と口の接触だけでも感染します。
また、症状が軽かったり、全くないこともあり、気がつかない間に感染していることがあります。

性感染症の種類

性感染症の種類には、以下のものがあります。

  • クラミジア感染症
  • 淋菌感染症
  • 性器ヘルペス
  • 梅毒
  • トリコモナス感染症
  • マイコプラズマ・ジェニタリウム
  • 尖圭コンジローマ
  • 肝炎
  • HIV感染(エイズ)

近年、自覚症状がほとんどないクラミジア感染症や梅毒にかかる人が増えています。
特に20代前半の人が性感染症にかかることが多いです。
性器クラミジア感染や淋菌感染は、不妊の原因になるため注意が必要です。
治療は抗生剤や抗ウイルス薬で行います。
症状が全くない人もいますが、症状がひどく入院が必要な場合もあります。

感染経路
性行為(水平感染)

性行為でパートナーに病原菌がうつる可能性があります。
一人だけ治療を受けて完治しても、パートナーが治療を受けなければ何度も感染します。パートナーも診断と治療が必要です。

胎児や新生児への感染(垂直感染)

妊娠中の母親から胎盤を介して赤ちゃんに感染したり、出産時に産道で感染することがあります。
性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、梅毒は母子感染の原因になります。

主な疾患
クラミジア感染症

クラミジアトラコマティスという細菌に感染することで発症します。
特に10代から20代前半の女性に多く見られ、増加傾向にあります。
潜伏期間は1~3週間です。女性の性感染症の中で最も多いとされています。クラミジア感染は性交渉によって尿道や子宮頸管に広がります。性器同士の接触がなくても、オーラルセックスを通じて喉に感染することもあります。

咽頭炎を引き起こすことがありますが、感染後すぐに症状が現れないことも多く、自覚が難しいです。
感染が子宮内腔から卵管、腹腔内に広がると、骨盤全体に炎症が起こり、お腹が痛くなることがあります。
さらに卵管閉塞から不妊や子宮外妊娠の原因にもなります。
治療は抗生物質の服用が基本です。
症状が強い場合は、入院して点滴治療が必要になることもあります。

淋病

淋病は淋菌という病原菌によって発症します。
潜伏期間は2~7日です。初期症状としておりもの異常がありますが、まったく症状がないこともあります。
進行すると重い下腹痛が起こります。喉への感染も比較的多いです。
治療は抗生物質の点滴が基本で、症状が強い場合は入院が必要なこともあります。

梅毒

梅毒は性行為によって梅毒トレポネーマに感染することで発症します。
潜伏期間は約3週間ですが、個人差があります。症状は進行段階によって異なります。

・第1期

感染部位(性器や口など)に赤い硬いしこりやただれが生じ、その付近のリンパ節が腫れることがあります。
自然治癒することが多く、この段階で梅毒と診断されることは少ないです。

・第2期

約3ヶ月経過すると、発熱や全身の倦怠感が現れます。
手のひらや足の裏、顔にピンク色の湿疹(バラ疹)ができます。

・神経梅毒

数年から数十年後に心臓や血管、神経の異常が現れることがあります。
感染を調べるには血液検査が必要です。治療は抗生物質を使用します。

性器ヘルペス感染症

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスに感染することで発症します。
性行為による皮膚や粘膜病変部との接触が原因です。
潜伏期間は2~10日です。性器にかゆみや不快感が現れた後、水ぶくれやびらんが発生し、ひどい痛みを伴います。
足の付け根のリンパ節が腫れ、激しい痛みによって座ることや歩くことが難しくなり、尿を出すのも痛くなることがあります。

初感染の際は特に症状が強く現れます。
治療は抗ウイルス薬の服用が基本で、症状がひどい場合は入院して点滴治療が必要です。
一度感染すると再発の恐れがありますが、適切な治療で再発を防げます。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の一種に感染することで性器にイボとして発症します。
潜伏期間は3週間から8ヶ月です。

性行為による皮膚や粘膜病変部との接触で感染します。
膣の入口部分、大・小陰唇、会陰、肛門、膣壁などに、鶏のトサカのような腫瘤ができます。自覚症状が乏しい場合、痛みはほとんどなく、軽い異物感やかゆみを伴う程度です。
皮膚の病変は塗り薬で治療しますが、粘膜の病変や薬で改善が難しい場合は切除、レーザー焼灼、凍結療法などを選択します。(当院ではレーザー治療も可能です。)

トリコモナス腟炎

トリコモナス腟炎は、トリコモナス原虫に寄生されることで発症します。
主な感染経路は性交渉ですが、タオルの共有や下着、便器、浴槽などでも感染することがあります。
腟だけでなく尿道や膀胱にも感染し、尿道炎や膀胱炎、外陰炎を伴うこともあります。幼児や高齢者にも見られることがあります。

感染後約10日前後で「黄色く泡立っているおりものが出る」「おりものが臭い」「外陰部がかゆい」「ピリピリする」などの症状が発生します。
20~50%の人は無症状ですが、そのうち1/3の人には6ヶ月以内に症状が出ます。治療は抗生物質の内服薬を使います。

更年期障害

更年期障害とは

女性のからだは女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けており、ライフステージによってその分泌量が大きく変化します。
特に、更年期にはエストロゲンの分泌量が大きくゆらぎながら減少します。
この時期には、心身にさまざまな症状が現れることがあり、これらを総称して「更年期症状(障害)」と呼びます。

いつからが更年期?

女性のライフステージは以下の4つに分けられます。

  • 思春期(10~18歳)
  • 性成熟期(18~45歳)
  • 更年期(45~55歳)
  • 更年期以降(55歳~)

40代に入る頃から卵巣機能が低下し、月経周期が不安定になります。
その後、月経が永久に停止する「閉経」を迎えます。日本人女性の平均閉経年齢は約50歳です。

この閉経を挟んだ前後5年を含めた10年間(45〜55歳頃)が「更年期」です。

原因

更年期に入ると、卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌が減少します。
その結果、ホルモンバランスが崩れ、さまざまな不調が現れます。

女性ホルモンは脳の視床下部でコントロールされていますが、この視床下部は自律神経も制御しています。
視床下部は血流、血圧、心拍、発汗、体温、免疫系、感情に関係するため、女性ホルモンの変動によりこれらも影響を受けるのです。

症状

「更年期に入った女性の約80%が、精神的・肉体的変化や不調を自覚している」と報告されています。
更年期に現れる様々な症状のなかで、他の病気が原因でないものを「更年期症状」と言い、日常生活に支障をきたすほど重い症状のことを「更年期障害」と言います。

治療方法
運動習慣や食生活の見直し

人によって更年期症状の現れ方や要因は異なります。まずは運動習慣や食生活の見直しを試み、それでも改善がない場合は投薬治療を検討します。

投薬治療
漢方薬

目立っている症状や体質に合ったものを使用します。ホルモン剤と一緒に処方されることもあります。

ホルモン補充療法(HRT)

不足しているエストロゲンを薬で補います。冷え、のぼせ、ほてり、発汗などの症状に有効です。

抗うつ剤・抗不安薬・催眠鎮静薬

イライラ、憂うつ感、不安、不眠などの症状に対して処方します。

更年期障害は、適切な治療を受け続けることで緩和される可能性があります。一人で悩みを抱え込まず、まずは当院へご相談ください。

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